ワイルド・ソウル
上下巻を二日間で読みきった。
なにも知ろうとしないバカ国民。
難しいことは考えない、くさいものには蓋をして知らんふりの、優柔不断の偽善者。
棄民政策の被害者の言葉・・現代の自分にも向けられてると思って読んだ。
1960年代といえば、私の母が小学生のころ。
戦争を生き抜いた祖父は東京で小さな町工場を開いて、
家族は貧しいながらも穏やかに暮らしていたはず。
その同じ時に、こんな酷い出来事が、起きてたなんて・・
とにかくアマゾン開墾時代が地獄すぎる。
アマゾン奥地を脱出後~青果卸になるまでも凄まじいのひとこと。
上巻まるごと地獄苦境。
読了後もこの本の表紙を見るだけで脳内に地獄の文字が浮かぶ。
同時に映像とか南米の湿った空気とか匂いを、まだ感じる。
南米棄民についての記事や手記を貪り読んだ。
日本政府はずっと前から国民を棄てていたんだ。
強いメッセージを受け取ったあと、
すごい書き手だな、この人のことを知りたい、
と閃光にうたれたかのようにインタビューなどを読み漁った。
垣根涼介氏、好きになった。この人の日本語のちからはすごい。